単身赴任、家具付、食事付の寮は動物園の檻のよう

2011-11-18

単身赴任が決まった。拒否できない転勤辞令を見た妻が、頑張って、と言ったときだ。そうなると、会社の寮で十分である。家具付、食事付で不便は無い。通勤は工場までのバスが出ている。職場と住まいの往復以外のことをしなければ、給料のほとんどを妻に渡せる。妻の監視から離れられるのも少し嬉しい。娘の顔が見られなくなるのは寂しいが、娘はなついてくれていない。それを実感するときの寂しさもあるから、娘と離れることに抵抗感はなかった。

家具付、食事付の寮に入ると言うことは、慣れたものが身の回りから消えることを意味する。若いときならともかく、50を過ぎているとなじむのに時間がかかる。テレビのリモコンもボタンが多すぎて面倒になる。単身赴任の気軽さは、間違えやだらしなさをたしなめる妻がいない安心感にでる。そうなると、寮に帰ると何もしたくなくなる。緩みきっているのだ。職場の歓迎会で出会った同僚たちも、話が合いそうな年代は家族持ちで夜は会いづらい。寮の社員は若すぎる。夜は、だらだら1人で過ごすばかりだ。

家具付といってもビジネスホテルと同じようなつくりで、機能的だが遊びが無い。単身赴任でも、妻も娘も尋ねてくる気は無いし、来ても間が持たない。食事付と言っても土日は食事が出ないが金も無いからコンビニ弁当で過ごす。2ヶ月もすると、長年の疲れが取れてきたのか、だらだらがつらくなってくる。転勤辞令は辞表を書かせるための手段だから、短期のどうでもよい仕事しかないので、仕事に逃げることもできない。動物園の人気の無い動物のような気分の毎日が過ぎている。

Post a Comment